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放射線治療科

診療科の特徴

放射線治療科は放射線治療を専門とする診療科です。放射線治療は外科療法と同等に有効な根治的がん治療法で、高齢者や合併症をお持ちの患者様に対しても適用できる体にやさしい治療法です。また、がん性疼痛をはじめとした様々な苦痛を緩和する有効な手段として用いられています。当科ではがん病巣だけに当たるように照射される範囲を絞り込んで、病気でないところは障害を受けないように治療計画を立てます。これにより身体の正常な機能を損なうことなく、がんを治療することができます。

放射線治療に適するがんの種類

・根治的照射を行うがん(術前・術後照射を含む)
原発性脳腫瘍、頭頚部腫瘍(喉頭がん、上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がん、上顎がん)、食道がん、乳がん、肺がん、肝臓がん、膵臓がん、胆道がん、子宮頸がん、子宮体がん、前立腺がん、膀胱がん、直腸がん、大腸がん、皮膚がんなど多数あります。
・緩和的照射を行うがん
がんの骨転移や脳転移や局所再発などの苦痛症状を有するあらゆるがん。

ニュース

【平成27年度】
溝脇尚志准教授をお招きし、放射線治療に関する講演をしていただきました!
溝脇尚志准教授(京都大学)「前立腺癌に対する強度変調放射線治療」
【平成26年度】
前立腺がん放射線治療(IMRT)に関する講演を行いました!
中川富夫医長「世界一受けたい前立腺がん放射線治療」
緩和ケアに関する雑誌に当院放射線治療科の記事が掲載されました!
「存在感高まる緩和ケア」―『medi.magazine No.22 2014 SUMMER』より
2名の教授をお招きし、放射線治療に関する講演をしていただきました!
高献書教授(北京大学)「中国における食道がん放射線治療の現状と展望」
永田靖教授(広島大学)「高精度放射線治療の現状と展望」
学会でポスター発表を行いました!
「患者が選ぶ乳房温存療法における寡分割照射」
「IGRTにおける位置照合装置の違いによるセットアップ精度の基礎的検討」

スタッフ

氏  名
中川 富夫(なかがわ とみお)
役  職
放射線治療科医長
専門分野
放射線治療
卒業年度
昭和62年
資  格
  • ◆ 放射線治療専門医
  • ◆ がん治療認定医
  • ◆ 緩和医療学会暫定指導医
  • ◆ 核医学専門医
  • ◆ 核医学会PET認定医
  • ◆ 乳癌学会乳腺認定医
  • ◆ 検診マンモグラフィー読影認定医
  • ◆ 認定産業医
  • ◆ 緩和ケア指導者研修修了医
  • ◆ 第一種放射線取扱主任者
氏  名
兼安 祐子(かねやす ゆうこ)
役  職
放射線治療科医長
専門分野
放射線治療
卒業年度
昭和60年
資  格
  • ◆ 放射線治療専門医
  • ◆ がん治療暫定教育医
  • ◆ 乳癌学会認定医
  • ◆ 認定産業医
  • ◆ 日本医学放射線学会研修指導医
  • ◆ Best Doctors(2016-2017)

医療関係者向け専門情報

お知らせ

放射線治療科では、後期臨床研修医を1名募集しています(平成28年4月開始)。
興味のある方は、放射線治療科医長・中川富夫(mail:nakagawa_tomio@fukuyama-hosp.go.jp)までお気軽にお問い合わせください。

1 切らずに治す放射線治療

近年、がん患者の増加、多くの外科療法との治療効果が同等であること、マスメディアの注目度がアップしたことにより、形態と機能を温存できる放射線治療の優位性が俄然明らかとなって来ました。

福山市で前立腺がん治療

前立腺癌について

前立腺癌に対する強度変調放射線治療(IMRT)

直腸障害を増加させることなく、治癒に導くための高線量の放射線治療が可能です。
従来の3次元原体照射(3D-CRT)では直腸を避けて放射線治療を行うことができず、一定程度の照射線量(70-74グレイ)までしか投与することができませんでした。強度変調放射線治療により直腸障害を増加させることなく、治癒に導くための高線量照射(74-78グレイ)が可能になりました(図1)。
当院は広島県東部唯一の強度変調放射線治療実施施設です!
医療機関が強度変調放射線治療を行うには、放射線治療常勤医師が2名在籍していることを必須条件として、県への届け出が必要です。届け出をしていない医療機関での実施は許されていません。

図1 3次元原体照射と比較して直腸への照射線量の少ない強度変調放射線治療
図1 3次元原体照射と比較して直腸への照射線量の少ない強度変調放射線治療

乳癌について

患者様が選ぶ乳房温存療法における寡分割照射
平成26年4月より乳がん治療で乳房温存療法を受けられる方に術後放射線治療の方法を選んで頂けるようになりました!
・乳房温存療法では乳房温存術後に放射線治療を行うことが必須です。従来は「通常分割照射」として1回2グレイで25回の照射を行うのが標準的でした。この場合は治療期間として5週間(33日)を要します。これに対し、平成26年度の診療報酬改訂に伴い1回2.66グレイへと線量を増加させて回数を少なくし、16回の照射で終わる「寡分割照射(かぶんかつしょうしゃ)」が認められました(1回線量増加加算の算定)。この場合、治療期間は3週間と1日(22日間)となり、通常分割照射に比べて11日間の短縮が可能になります。この両者に期待される乳癌再発予防の治療効果と副作用の出方に差はありません。異なるのは、医療費や医療保険との関係においてで、おおむね寡分割照射の方が医療費は安く済みます(図1)。米国放射線腫瘍学会のガイドラインに従えば、寡分割照射が適用されるのは次のような条件に合致する方です。(1)診断時年齢が50歳以上、(2)がんの大きさが5cm未満、(3)化学療法を併用しない、(4)線量分布が良好であること(図2)。なお断端陽性でブースト照射の必要な方、リンパ節転移があって鎖骨上窩照射の必要な方は対象になりません。当科では十分な説明と同意の上で寡分割照射か通常分割照射かのいずれかを患者様の意思で選択して頂いています。当院は、この選択制を導入している広島県東部で唯一の医療機関です。
他施設で手術を受けた方でも当院での放射線治療を受けていただくことは可能ですので主治医にご相談下さい。
乳がん


全乳房照射におけるうつぶせ照射
温存術後に行う全乳房照射はうつぶせ体位で治療すると大事な心臓や肺への照射線量を低減できます!
・乳房温存術後に行う全乳房照射は仰向けの体位で治療するのが一般的です。仰向けで治療すると全乳房を照射しようとするために心臓や肺に不要な照射が行われて虚血性心疾患や放射線肺炎の発症の危険性が高くなったり、逆に心臓や肺への照射を避けようとすると治療すべき部位に十分な線量を投与できなくなったりすることがあります。そこでうつぶせの体位にすると乳房が下垂して胸壁から離れ、心臓や肺への照射が少なくなります(図3)。ただし、一部の患者様では乳房の大きさや形によりかえって心臓への照射が多くなることもあるため、治療計画を作成した後でどちらの体位で治療を行う方が最適であるかを判断します。当院は、この照射方法を導入している広島県で唯一の医療機関です。
(図3)大事な心臓や肺への照射線量の少ないうつぶせ照射

乳がんについて図3

頭頚部腫瘍について

喉頭癌や舌癌をはじめとする頭頚部腫瘍では機能と形態の温存が最も重要です。早期喉頭癌であれば90%以上が放射線治療で治癒しますので、ご自分の声で喋れなくなるということはありません。

喉頭癌について

声が嗄れてきた方は喉頭癌の疑いがあります。声が嗄れることを嗄声(させい)と言います。この症状の原因には喉頭癌以外にも様々な疾患(急性喉頭炎、声帯ポリープなど)の可能性があります。これらの疾患の鑑別を行うには、当院耳鼻咽喉科・頭頚部腫瘍センターでの精査がお勧めです。もし、喉頭癌と診断されても放射線治療で根治可能です。当院では声門癌T1N0症例に対して局所制御率の高い寡分割照射(線量分割63Gy/28回)を実施しています。
喉頭癌に対する放射線治療

肺癌について

肺癌では化学療法や分子標的治療薬の進歩に伴い、確実に治療成績が向上していますが、放射線治療と併用してこそ有効な治療となる場合が多いです。

骨転移、脳転移について

がんの治療成績の向上とともに、骨転移や脳転移が出現する頻度は高くなっています。放射線治療は骨転移に伴う疼痛、病的骨折、神経症状の改善に有効です。また、脳転移についても有効な治療法です。脳腫瘍の治療に用いるガンマナイフと呼ばれる精密な治療器が近隣の施設(脳神経センター大田記念病院)に導入されましたので、この治療法と組み合わせて治療することによってより一層優れた治療が提供できます。

2 当院の放射線治療設備の紹介

全国的にも有数の治療設備を備えています。広島県内ではトップクラスです

(1)外部放射線治療装置『クリナック・アイエックスClinac-iX』(バリアン・メディカル・システムズ社、1台)

clinac-iX

  • 広島県東部で唯一!照射位置への正確な画像誘導機能と汎用性のある高精度照射機能を兼ね備えた放射線治療装置です。H25年9月から稼働しています。放射線治療は当院で受けていただく方が障害発生のより少ないものになります。
  • バリアン社のリニアックは世界で最も信頼性の高い放射線治療装置です。
  • 高精度な照射方法である強度変調放射線治療(IMRT)に対応、VMAT(RapidArc)に対応しています。
  • 出力できるX線エネルギーは6MVと10MVの2種類から身体中のがんの存在する位置や周囲の状況に応じて選択することができます。
  • 1分間に最高600MUの高線量率で患者様の負担を少なくする短時間での照射が可能です。
  • 照射野は最大40×40cmまでの広い範囲での照射が可能です。(なお狭い照射野22×40cmまでしか取ることのできない装置を持った施設では、とくに食道がん・頭頸部がん・子宮頸がんの患者さんにおいて、不適切な治療となることがありますのでご注意下さい。当院ではこのようなことは起こりません。)
  • 5mm幅のマルチリーフで病変の形状に合致した細かい照射範囲の設定が可能です。
  • 呼吸性移動対策システムであるReal-time Position Management(RPM)装備。
  • 画像誘導放射線治療システム(IGRT)であるオンボードイメージャー(OBI)装備、CBCT装備。
  • さらに画像誘導放射線治療システム(IGRT)としてExacTracシステム(エグザック・トラック)を装備。わずか0.3mmの誤差で極めて正確な照射位置精度を誇ります!
  • HDRv3

    (2)密封小線源治療装置『マイクロセレクトロンmicroSelectron –HDR v3 』

    (Neucletron社、1台)

  • 広島県東部で唯一!の高線量率密封小線源治療装置です。H25年12月から稼働しています。
  • 遠隔操作によって密封された放射性同位元素(Radioisotope)を体内に送り込んで内部から照射する治療機です。マイクロセレクトロンは世界的に最も普及している信頼性の高い装置です。主に子宮頸がんの腔内照射に使用しています。密封小線源治療計画装置はオンセントラ(Oncentra v4.3)を使用しています。
  • 当院は昭和62年からラルス装置を用いた高線量率腔内照射を行っています。
  • 子宮頸がん・子宮体がん・腟がんなどに対して画期的な治療手法である画像誘導腔内照射(Image-Guided Brachytherapy: IGBT)での治療を導入しています。
  • 広島県内では広島大学や広島市民病院より治療症例数が多く、豊富な治療経験を有しており、これまでの治療成績について優れた学術発表を行っています。
  • 日本婦人科腫瘍学会所属の放射線治療専門医2名が協力して治療にあたっています。
  • 腔内照射だけでは治癒困難と思われる患者さまには組織内照射や重粒子線治療のできる特殊な施設への紹介連携を行っています。そのような医療機関との密な連携体制があるのは広島県東部では当院のみです。トータルな治療体制の整った当院での治療をお勧めします。
  • HDR-V3

    HDR-V3

    密封小線源治療計画装置Oncentra

    密封小線源治療計画装置Oncentra


  • 広島県内では広島大学・県立広島病院・広島市民病院と当院の4施設で「広島県子宮頸がん放射線治療カンファレンス」を構成し、日夜研鑽に取り組んでいます。(なお、これら以外の経験治療のない施設での腔内照射を受けられることはおすすめしません。)
  • ■関連リンク
    広島県子宮頸がん放射線治療カンファレンス
    URL:https://sites.google.com/site/cervixrt/cervixrt-home

    放射線治療科実績

    放射線治療科論文・学会発表

    治験受け入れ可能な疾患


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