乳腺には、乳癌を代表とする悪性疾患と、乳腺症や線維腺腫を代表とする良性疾患が発生しますが、いずれも、乳腺・内分泌外科が、担当しています。ここでは、とくに、乳癌の診療について、御説明します。わが国の乳癌は、増加傾向が続いており、平成7年には、それまで国民病だった胃癌を抜いて、女性が罹る癌の第一位になりました。当院では、外科医師、放射線科医師およびコメディカル・スタッフからなるチームで、年間120名前後の、新規の乳癌患者を、診療しています(平成25年は、手術例89例、進行再発例26例)。
【診断】マンモグラフィが重要なことは、多くの方に知っていただけるようになりました。当院では、平成25年に最新のデジタルマンモグラフィのソフトコピー診断システムを導入しました。読影については、マンモグラフィ検診精度管理中央委員会による読影認定医師(A評価;乳腺・内分泌外科 三好医長、放射線治療科 中川医長)が、院内のみならず、福山市および広島県の検診フィルムについても、積極的に貢献しています。マンモグラフィと並んで重要な診断装置である乳腺超音波(エコー)も、平成25年に最新の機器に更新し、さらに、平成21年に導入した、非触知石灰化病変を的確に診断する腹臥位式ステレオガイド下マンモトーム生検装置を使用して早期乳癌の精密診断を行っています。
【手術療法】乳癌に罹っても、生命はもちろん、乳房も失わなくてすむように、乳房温存療法を積極的に行っています(平成25年の手術例 89例中、温存例52例、温存率58%)。また、合併症のもととなる、過剰なリンパ節郭清を防ぐために、アイソトープを併用したセンチネルリンパ節生検を、平成18年から開始しています。
【薬物療法】国際的なガイドラインに準じ、しかも、患者に優しい、薬物療法を心がけています。治験に関しては、JCOG(Japan Clinical Oncology Group)乳癌グループのメンバーとして、JCOG studyのみならず、いくつかの臨床試験を手がけています。
【放射線療法】精度の高い放射線照射装置を用いて、乳房温存療法における胸壁照射や乳癌骨転移に対する照射について、すぐれた成績を得ています。
乳腺・内分泌外科が担当しているのは、おもに乳癌で、年間120名前後の、新規の乳癌患者さんを、診療しています。マンモグラフィ検診精度管理中央委員会による読影認定医師(A評価;乳腺・内分泌外科 三好医長、放射線治療科 中川医長)が、院内のみならず、福山市および広島県の検診フィルムについても、積極的に貢献し、早期乳癌の診断に努めています。また、乳癌に罹っても、生命はもちろん、乳房も失わなくてすむような乳房温存療法を、積極的に行っています(平成25年の手術例 89例中、温存例52例、温存率58%)。国際的なガイドラインに準じ、しかも、患者さんに優しい、薬物療法を心がけています。治験に関しては、JCOG(Japan Clinical Oncology Group)乳癌グループのメンバーとして、JCOG studyのみならず、いくつかの臨床試験を手がけています。